理不尽な話

実際にあった話です。加害者の家族への理不尽な話をご紹介します。
なお,被害者側の理不尽な話はこちら

荷馬車挽を自動車ではねた者に対し,将来被害者は荷馬車挽活動が不能にな
るとの予想のもとに,50万円の損害賠償を命じた裁判がありました。

この判決は,昭和26年8月3日に確定しています。
判決確定というのは,裁判所の判断を争えなくなるということです。何度も何度も紛争を蒸し返すことができるということになれば,裁判の意味がなくなるので,このような効力が認められています(実は不正確な説明ですが,ここではそう理解しておいて下さい。)。

「荷馬車挽」という言葉は,広辞苑にも載っていないのですが,荷馬車(荷物を運ぶための馬車)に物をのせて運ぶことを仕事とする人らしいです(ややくどい説明でした。)。

随分と昔のことであり,貨幣価値が違うので,現在では50倍以上の金額になるかもしれません。そうすると,事故を起こした加害者が悪いといっても,現実には,そう簡単に支払える金額ではないことは明らかです。

加害者はこの賠償債務を苦にして列車に飛込自殺をしてしまいました。

泣くに泣けないのは被害者です,と言う場面となるところですが,この事件の場合は,そうではありませんでした。

被害者は,負傷が快癒し,電話をひくなどして堂々と営業できるようになっていったのです。

ところが,それなのに,被害者は,判決が確定した後5年を経てから,相続人である加害者の父母に対し強制執行をしたのです。

被害者が後遺障害を負った場合,裁判所は将来を予想して加害者が負担する損害額を決めるのですが,この予想があたらず,実際には,全く違った現実が進行することがあるということです。

さりとて,判決は確定しており,何度も何度も紛争を蒸し返すことができるということになれば,裁判の意味がなくなるということから,法律で,一定期間経過すると判決は確定するというルールを決めたのですから,その時,その時,都合良く法律上のルールを変えるわけにもいきません。

さて,裁判所は,どのように裁いたのか,次回まで想像してみておいて下さい。

なお,被害者の側の理不尽な話はこちらをどうぞ。


前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表弁護士
出身地:北海道岩見沢市。
出身大学:北海道大学法学部。
主な取扱い分野は、交通事故、離婚、相続問題、債務整理・過払いといった個人の法律相談に加え、「労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」も取り扱っています。
事務所全体で30社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

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