裁判所での手続きについて

裁判所の手続:誰が誰に何を何時までに請求するのか

裁判所の手続としては、調停、裁判があります。
民事調停は簡易な手続といわれますが、弁護士が受任した場合、裁判を起こすのと同程度の準備が必要となる反面、調停委員の動きを期待して合意を目指すという点に起因する裁判とは違った面倒もあり、弁護士が利用することは少なく、残念ながら、私も、ノウハウを開示できる場面ではありません。

そこで、以下では、専ら裁判での損害賠償請求について、次の点を説明します。

●誰が損害賠償を請求することができるのか
(「賠償請求権者」の問題)
●誰に対して損害賠償を請求することができるのか
(「賠償責任者」の問題)
●何を損害として賠償請求することができるのか
(「賠償の種類・範囲・算定」の問題)
●何時まで損害賠償を請求できるのか
(「消滅時効」の問題)

(1)「賠償請求権者」の問題

しかし、死亡事故であれば、もちろん本人が請求することはできず、相続人が賠償請求することになりますが、内縁の妻に対する賠償が認められる場合もありますし、
慰謝料については、被害者自身の損害とは別の損害と考え、死亡の場合であれば相続人以外にも、傷害事故の場合には本人以外にも、独自の賠償請求が認められる場合があります。

例えば、当法律事務所で担当した事案の中にも、交通事故に遭い、被害者の二人の息子が仕事の帰りにときどき母を見舞うとともに、その妻たちが1週間に1、2回病院に通って面倒を見ている事情にあり、首から下が不随となった被害者の二人の息子に対し、裁判所が物理的・精神的負担を被っていると判断して、近親者慰謝料として150万円ずつの支払いが認められた事例があります。

(2)「賠償責任者」の問題

交通事故の民事上の損害賠償責任を追及する場合,次の法的根拠とするのが通例です。
賠償責任者を増やしたからと行って,損害賠償総額が倍増するわけではありませんが,運転者自身に賠償能力がないうえ,任意保険が使えない場合であるとか,任意保険が付せられていても,被保険者に制限があって運転者には使えない場合は,被告の範囲を拡げる必要があります。

●不法行為責任(民法709条)
加害者が被害者に損害を与えたために賠償を負担する基本的な責任です

●運行供用者責任(自動車損害賠償保障法(自賠法)3条)
車の運行を供用していたとされる運転者および所有者の責任です

●使用者責任(民法715条)
業務のために運転していた加害者の雇用主が負担する責任です

その他加害者の関係者に対して請求する根拠として、監督義務者責任(民法714条)、工作物責任(民法717条)、心神喪失者の責任(民法713条)、共同不法行為(民法719条)が用いられることもあります。
また、保険会社に対して損害賠償額の支払を求める場合もあります。

(3)「賠償の種類・範囲・算定」の問題

交通事故の場合、被害者が加害者に請求できる損害の全体像は、次の【表】のとおりになります。
裁判を起こして判決をもらった場合は、裁判の基準に従って損害賠償額が算定されるほか、一定の弁護士費用が加えられたうえ、これらの合計額全体に事故発生日から完済まで年5分の割合の遅延損害金(利息のようなもの)が付加されることになります。

交通事故の被害者が加害者に請求できる損害の詳細はこちら

これに対し、加害者側(保険会社)は、賠償義務の有無や範囲を争ってくることに加え、被害者にも落ち度があるとして「過失相殺」を主張するなどをして、賠償金額を減額しようとします。

こうして、加害者側との攻防が繰り広げられます。

(4)「消滅時効」の問題
交通事故による人身損害の消滅時効の起算点は、後遺障害が残った場合は、傷害関係及び後遺傷害関係のものすべてについて症状固定時、後遺障害を残さずに傷害が治癒したときは治癒時とするというのが、実務上支配的見解のようです。

誰が誰に請求するのか

交通事故が起きた場合、被害者が、加害車両の運転者に対し、損害賠償を請求するというのが、もっともイメージしやすいと思います。
しかし、そう簡単ではありません。

(1)「賠償請求権者」の問題

死亡事故であれば、もちろん本人が請求することはできず、相続人が賠償請求することになりますが、内縁の妻に対する賠償が認められる場合もあります。
慰謝料については、被害者自身の損害とは別の損害と考え、死亡の場合であれば相続人以外にも、傷害事故の場合には本人以外にも、独自の賠償請求が認められる場合があります。

(2)「賠償責任者」の問題

交通事故の民事上の損害賠償責任を追及する場合、次の法的根拠とするのが通例です。

・不法行為責任(民法709条)
・運行供用者責任(自動車損害賠償保障法(自賠法)3条)
・使用者責任(民法715条)

その他加害者の関係者に対して請求する根拠として、監督義務者責任(民法714条)、工作物責任(民法717条)、心神喪失者の責任(民法713条)、共同不法行為(民法719条)が用いられることもあります。

また、保険会社に対して損害賠償額の支払を求める場合もあります。
賠償責任者を増やしたからと行って、損害賠償総額が倍増するわけではありません。

しかし、運転者自身に賠償能力がないうえ、任意保険が使えない場合であるとか、任意保険が付せられていても、被保険者に制限があって運転者には使えない場合は、被告の範囲を拡げる必要があります。前者の場合は資力のある人を、被保険者を被告にする必要があります。

たとえば、加害車両の運転者自身には賠償能力がないような場合、使用者責任や運行供用者責任を根拠とすることによって、使用者等を加害者側の一員に加え損害全額の責任(連帯責任)を求めることができることとなります。
当事務所が担当した事案の中に、被害者が同乗者であったことから任意保険が使えなかった事案で、使用者責任を負う企業から、分割とはなりましたが、一定の遅延損害金も加えた4112万5310円について全額の支払を受けることができました(札幌地方裁判所平成10年3月30日民事第2部判決)。

複数の被告の賠償責任を追及する場合の主張の仕方を、当事務所の取扱案件から例を示すと、次のようになります(函館地方裁判所平成20年6月23日民事部判決)。

(1)被告Y1は、本件事故当時、運転者として加害車両を事故のために運行の用に供していたものであり、かつ、進行するに当たっては進路前方を注視して状況を十分確認すべき注意義務があるのに、これを怠った過失により本件事故を発生させたものであるから、自動車損害賠償保障法3条又は民法709条に基づき、本件事故から発生した損害を賠償する責任を負う。

(2)被告会社は、次のとおり、本件事故から生じた損害を賠償する責任を負う。
ア 本件事故当時、その業務のために加害車両の運行を支配し、かつ、運行による利益を享受しており、加害車両を自己のために運行の用に供していたものであることから負う自動車損害賠償保障法3条に基づく責任
イ 本件事故当時被告Y1の使用者であるところ、被告Y1は被告会社の事業の執行として加害車両を運転していたものであることから負う民法715条に基づく責任

加害者が複数で、被害者に致命傷を与えたのはどちらの加害者なのか、あるいは、それぞれ加害者がどの程度死亡に影響を与えたのかは判然としない場合があります。共同不法行為(719条)として賠償責任を構成することになります。
一定の要件を具えた場合に、各車両の運転者に対し、第三者に損害の全部を連帯して賠償責任を負わせるのが、共同不法行為責任の典型的な場面です。

当事務所で担当した案件の中に、被告Y1が加害車両Aを運転して走行し、被告Y2が加害車両Bを運転して加害車両に後続して走行していたところ、自転車を押して横断していた甲を、いずれも速度を出しすぎたため避けきれず、同女に接触転倒させ轢過し、同女は、搬送された病院で死亡したという事案がありました。

被告Y1とY2は、本件事故当時、それぞれ加害車両A、Bを事故のために運行の用に供しており、自動車損害賠償補償法3条及び民法719条1項に基づき、各自の負担部分を2分の1ずつとして、連帯して賠償する責任を負うとされました。(札幌地方裁判所平成6年9月28日民事第1部判決)

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