後遺障害等級の非該当や不服に対する異議申し立て手続き

後遺障害等級申請を行ったものの、認定された等級にどうしても不服がある場合、あるいは等級非該当の結果が出た場合は、異議申し立てを行うことができます。

ただし、申し立てが認められるには厳しい再審査をクリアしなければいけません。

ここでは、異議申し立ての概要や手続きのポイントについて解説します。

等級認定結果に対する不服については異議申し立てができる

一度行った後遺障害等級申請でその結果に不服がある場合、損害保険料率算出機構に対し異議申し立てを行うことができます。

異議を主張するための書類を新たに用意して機構に提出し、再び審査を受けて認められれば等級が変更される可能性があるのです。

ただし、異議申し立てによる等級変更は決して簡単ではなく、平成26年に実施された機構の統計では、申し立てが認められたのは6%程度とされています。

これには、以下のような理由が考えられます。

  • 後遺症の症状が等級に満たない
  • 事故との明確な因果関係が確認できない
  • 後遺障害として症状が残り続ける可能性が低い

もし、障害の程度と提出した医療関係書類が示す内容に齟齬がなく、その上で機構が基準以下であると判断すれば、等級認定は難しくなってきます。

逆に言えば、障害の程度を正しく表す医療関係書類が足りていなかった場合、本来は基準に達しているのに、判断材料が不足していたために非該当あるいは低い等級となった可能性も考えられるのです。

こういった場合は、不足していた以下のような書類を新たに提出して再審査の結果を待つことになります。

  • 新しく行った検査書類を提出する
  • 過去に行った検査及び治療に関する未提出の書類
  • 医師の意見書等

改めて等級審査を行う上では、前回の申請内容よりさらに詳細で現実をよく表した材料が必要です。

非該当や低い等級となった理由をよく理解した上で、医師にも自分の症状を十分に伝え、等級に結び付くような診断書あるいは意見書を書いてもらうことが重要です。

どのような書類が必要となるか、どのような内容が求められるかは、医師よりも交通事故に詳しい弁護士の方が熟知していますので、弁護士の力を借りながら準備を進めることが大切です。

提出された書類を再び精査し等級判断を行うのは損害保険料率算出機構ですので、相手にとってわかりやすく問題点が伝わるように配慮することで、等級変更の可能性も出てくるのです。

異議申し立てのメリットとデメリット

以上のことから、異議申し立てを行うことにより、等級変更の可能性が出てくることに加え、仮に申し立てが認められなかったとしても被害者自身にとっての納得材料となるでしょう。

一方、申し立てを行ってから結果が出るまでには数カ月程度を要するため、等級決定と賠償金請求のタイミングがさらに遅れてしまうリスクも理解しておく必要があります。

当初から正しく等級認定してもらうためには入念な準備が不可欠

異議申し立てが必要な状況とは、明らかに非該当であるケースを除けば、当初の後遺障害等級申請の内容が不十分であったことを示しています。

つまり、最初の申請時からしっかりと準備を進め適正な等級を獲得できれば、問題は起こりにくいと考えられます。

そのために、例えば当事務所では、最初の申請時までに必要な検査を全て実施するよう指導しています。

特に診断書の作成は、医師に任せてしまうと重要記載事項の漏れが発生しやすいため、きちんとした後遺障害診断書を書いてもらうよう配慮を欠かしません。

医師は怪我の治療が専門ですから、こちら側から記載事項を具体的に要望しなければ、診断書が簡易なものになってしまうことも多いのです。

しかし、被害者側としては、等級認定のためにはやらなければならない検査がありますし、検査や本人の申告等を結び付けて的確な診断書を作成してもらわなければいけません。

等級認定にまつわるトラブルでは、やるべきことが不足していたケースが多々見られるため、弁護士としては漏れなく検査を実施してもらうよう被害者にしっかりとお伝えしているのです。

異議申し立ては当事務所までご相談を

後遺障害等級申請という作業には、適正な等級獲得のための専門的な知識や経験を要します。

だからこそ、弁護士という専門家に依頼して、間違いのない申請準備を行うことが非常に重要なのです。

そもそも、専門性という言葉は、昔なら「深い知識を持っていること」を示していたのに、現在では「数を多くこなしていること」を意味するようになってきたのではないでしょうか。

本来は、複雑なケースに対応できるだけの知識を持っているからこそ専門を謳うことができたものです。

しかし、最近は弁護士の取り扱いや対応が「広く浅く」になってきていると感じるのです。

問題解決のためには、1つ1つの事柄を深掘りし、事実を浮き彫りにしていくことが不可欠であり、それができることこそ本当の意味での専門性だと考えています。

深い知識をもって対応する当事務所まで、ぜひ一度ご相談ください。


前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表弁護士
出身地:北海道岩見沢市。
出身大学:北海道大学法学部。
主な取扱い分野は、交通事故、離婚、相続問題、債務整理・過払いといった個人の法律相談に加え、「労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」も取り扱っています。
事務所全体で30社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

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