半月板,軟骨損傷が進行する可能性があると憎悪を見通し

交通事故に基づく損害賠償請求事件
訴訟物の価額    1870万6384円
ちょう用印紙額      7万7000円

第1 請求の趣旨
1 被告らは,原告に対し,金1870万6384円及び平成16年7月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を連帯して支払え。
2 訴訟費用は被告らの負担とする。
3 仮執行宣言

第2 請求の原因
1 事故の発生
原告は,次の交通事故(以下「本件事故」という。)により負傷した(甲1)。
 日   時 平成16年7月5日午前8時30分ころ
 場   所 札幌市東区●
 加害車両 普通乗用自動車(車両番号 ●)
運転者 被告Y1
 事故態様 被告Y1が前方不注視で運転していた加害車両が,自転車に乗って横断しようとした原告に激突し,はね飛ばした。なお,被告Y1は,同様に,別に自転車に乗って横断しようとした原告の友人にも激突し,はね飛ばした。
 事故の結果 原告は,本件事故により,右膝後十字靱帯損傷の傷害を負った(甲2)。

2 責任原因
 被告Y1は,本件事故当時,運転者として加害車両を自己のために運行の用に供していたものであり,かつ,進行するにあたっては進行方向を注視し状況を確認し,横断する者がある場合は当然停止しなければならないにもかかわらず,そのように十分確認する義務を怠った過失により本件事故を発生させたから,自動車損害賠償補償法3条又は民法709条に基づき,本件事故から生じた損害を賠償する責任を負う。

 被告Y2は,本件事故当時,保有者として加害車両を自己のために運行の用に供していたものであるから,自動車損害賠償補償法3条に基づき,本件事故から生じた損害を賠償する責任を負う。

3 原告の受傷内容,治療経過及び後遺障害
 原告は,本件事故により,右膝後十字靱帯損傷の傷害を受け,症状固定までの間,次のとおり治療を受けた(甲4,5)。
ア 社団法人北海道勤労者医療協会勤医協中央病院
平成16年7月5日から平成16年12月29日まで通院(178日間)
イ 医療法人仁陽会西岡第一病院
平成17年1月5日から平成17年8月10日まで通院(218日間)

 後遺障害
原告は,平成17年8月10日に症状固定と診断されたが,膝関節後方不安定性が残存して後遺障害が残っており,後遺障害等級第12級7号(右膝関節の機能に障害を残すもの)に該当する(甲2乃至4)。診断した医師によれば,今後不安定性が大きくなる可能性があり,半月板,軟骨損傷が進行する可能性があると憎悪を見通している。

4 損害額                   合計1731万9999円
原告に生じた損害は次のとおりである(甲5)。
 積極損害                 32万8893円
ア 治療費 21万2916円
原告は,治療費として上記金額を支出した。
イ 通院交通費     4万9100円
原告は,交通費として上記金額を支出した。
ウ その他  6万6877円

 休業損害 4万4072円

 後遺傷害による逸失利益    1246万7034円
原告は,本件事故当時17歳(昭和62年5月23日生)の健康な男子であるところ,本件事故により,前記3のとおり,平成17年8月10日に症状固定と診断されたが,障害が残り,後遺障害12級に該当し,労働能力喪失の割合は14%である。
従って,原告は,本件事故に遭わなければ,症状固定後49年間にわたり,上記労働能力を喪失しないで稼働することが可能であった。
原告は,事故当時高校生であるが,平成18年3月高校を卒業した後同年4月にはB学園調理製菓専門学校に入学が決定しており,調理技術専攻科で2年間の教育を受け,調理師免許(国家資格)を取得して,調理師として稼働する予定である。
したがって,その年齢に照らして,平成16年の賃金センサス第1巻第1表による産業計・企業規模計・学歴別(高卒)・男子労働者の全年齢平均賃金年額である490万1300円を下らない年収を得ることができたと考えられる。
そこで,これを基礎に,年5分の割合による中間利息の控除をライプニッツ方式により,本件事故当時の原価を算出すると,1246万7034円となる。
(計算式)
4,901,300×18.1687×0.14=12,467,7034

 通院慰謝料  158万0000円
原告は,本件事故後,症状固定までの間,上記3のとおり通院し,通院期間は386日間であり,通院慰謝料は,158万円を下らない。

 後遺症慰謝料    290万0000円
原告は,本件事故当時17歳(昭和62年5月23日生)の健康な男子であり,本件事故により,前記3のとおり,平成17年8月10日に症状固定と診断されたが,上記3のとおり障害が残り,後遺障害12級に該当し,後遺症慰謝料は290万円を下らない。

5 損害の填補  31万3615円
原告の損害のうち,自賠責保険及び任意保険から31万3615円が填補された。
その結果,原告が被告らに対し損害賠償として請求しうる金額は1700万6384円となる

6 弁護士費用 170万0000円
前記5のとおり,原告が被告らに請求することのできる金額は1700万6384円となるところ,今後の本件審理の内容及び経過等を勘案すると,本件事故と相当因果関係にある弁護士費用は,170万0000円を下らない。

7 よって,原告は,被告らに対し,1870万6384円及びこれに対する本件事故日である平成16年7月5日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払をすることを求める。

証 拠 方 法

甲1 交通事故証明書
甲2 自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書
甲3 後遺障害等級認定票
甲4 自動車損害賠償責任保険後遺障害等級証明書
甲5 「損害額算定のご案内」と題する書面

添 付 書 類

1 訴状副本                          2 通
2 甲1ないし5号証(写し)                 各 1 通
3 訴訟委任状                         1 通


前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表弁護士
出身地:北海道岩見沢市。
出身大学:北海道大学法学部。
主な取扱い分野は、交通事故、離婚、相続問題、債務整理・過払いといった個人の法律相談に加え、「労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」も取り扱っています。
事務所全体で30社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

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