訴状農業

第1 請求の趣旨
1 被告は,原告に対し,金9811万6723円及び平成13年6月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 仮執行宣言

第2 請求の原因
1 事故の発生
原告は,次の交通事故(以下「本件事故」という。)により負傷した(甲1)。
 日   時 平成13年6月30日午後8時8分ころ
 場   所 北海道上川郡●先路上
 加害車両 不 明
運転者 被告
 被害車両 大型特殊自動車(トラクター)(車両番号 旭川●)
運転者 原 告
 事故態様 原告が上記場所道路脇に停車させていた被害車両の運転席に乗車しようとしたところ,被告が運転していた加害車両が,同被告の前方不注視で被害車両に追突した。
 事故の結果 原告は,本件事故により,右前頭葉脳挫傷,第1腰椎圧迫骨折,頸椎捻挫,右股関節捻挫等の傷害を負った(甲2,4の1,4の2)。
2 責任原因
被告は,本件事故当時,運転者として加害車両を自己のために運行の用に供していたものであり,かつ,進行するにあたっては進行方向を注視し状況を確認し,道路脇に停車する車両がある場合は当然これを避けなければならないにもかかわらず,そのように十分確認する義務を怠った過失により本件事故を発生させたから,自動車損害賠償補償法3条又は民法709条に基づき,本件事故から生じた損害を賠償する責任を負う。

3 原告の受傷内容,治療経過及び後遺障害
(1)原告は,本件事故により,右前頭葉脳挫傷,第1腰椎圧迫骨折,頸椎捻挫,右股関節捻挫等の傷害を受け,症状固定までの間,次のとおり治療を受けた(甲4の1,4の2)。
ア 旭川赤十字病院(入院)平成13年6月30日~同年7月24日
イ 美瑛町立病院 (入院)平成13年7月24日~同年11月28日
(通院)平成13年11月29日~平成19年8月31日

(2)後遺障害
告が受けた傷害は多岐にわたり,平成19年8月31日に症状固定と診断された(甲4の1)。しかし,感情の起伏が頻繁に見られ(甲4の3),軽度の認知・情緒・行動障害,脊柱の変形,頚部・背部の痛み等の後遺障害が残っている。これらの後遺障害は,少なくとも後遺障害等級併合第6級に該当する(甲2)。

4 損害額                    合計9995万0631円
原告に生じた損害は次のとおりである。
(1)積極損害                 852万0014円
ア 治療費    812万6774円
原告は,治療費として上記金額を支出した。
イ 入院雑費  22万8000円
原告は,本件事故により,上記3(1)のとおり入院し,入院雑費として,22万8000円を支出した。
(計算式)
1,500×152=228,000
ウ 通院交通費                    11万3740円
原告は,交通費として上記金額を支出した。
エ その他(各種装具)  5万1500円
(甲3)

(2)休業損害         5146万9225円
原告の後遺障害は多岐にわたり,症状が固定する平成13年6月30日から平成19年8月31日までの期間(2254日間),稼働できなかった。
そして,原告は農家であるところ,事故前の平成12年の収入及び固定費として支払うことになる地代・減価償却費・租税公課につき,休業損害として算出すると,5181万8058円となる。
(計算式)
年収                              2,936,861
地代                              1,360,622
減価償却費                           3,611,658
租税公課               425,494
小計                             8,334,635

総計   8,334,635×2254÷365=51,469,225
(甲5の1,5の2)

(3)後遺傷害による逸失利益    2300万1392円
原告は,本件事故当時48歳(昭和28年6月20日生)の健康な男子であるところ,本件事故により上記3(2)のとおり,平成19年8月31日に症状固定と診断されたが,障害が残り,後遺障害6級に該当し,労働能力喪失の割合は67%である。
また,原告は農業に従事しているが,会社員等とは異なり自営農業は高齢になっても継続して稼働可能な職業であり,現に自営農業に主として従事する者の約4割は70歳以上の者であることから見て(甲6),一般的には67歳とされる就労可能年齢につき,少なくとも67歳の平均余命の半分の72歳を就労可能年齢として計算すべきである。
したがって,原告は,本件事故に遭わなければ,症状固定後少なくとも18年間にわたり稼働可能であるところ,上記4(2)のとおり,年収293万6861円を得ていたので,これを基礎に年5分の割合による中間利息をライプニッツ方式(ライプニッツ係数11.6895)により控除して,本件事故の逸失利益を算出すると,2300万1392円となる。
(計算式)
2,936,861×11.6895×67%=23,001,392
(甲4の1,甲5の2)

(4)入通院慰謝料  496万0000円
原告は,本件事故後,症状固定までの間,上記3(1)のとおり,入院して手術をし,152日間複数の病院に入院したほか,通院期間は2102日間に及び(甲3),入通院慰謝料は,496万円を下らない。

(5)後遺症慰謝料    1200万0000円
原告は,本件事故当時48歳(昭和28年6月20日生)の健康な男子であり,本件事故により,上記3(2)のとおり,平成19年8月31日に症状固定と診断されたが,上記3(2)のとおりの障害が残り,少なくとも後遺障害6級に該当し,後遺症慰謝料は1200万円を下らない。

5 損害の填補  1075万3908円
原告の損害のうち,自賠責保険又は任意保険から1075万3908円が填補された(甲3)。
その結果,原告が被告に対し損害賠償として請求しうる金額は8919万6723円となる。

6 弁護士費用 892万0000円
前記5のとおり,原告が被告に請求することのできる金額は8919万6723円となるところ,今後の本件審理の内容及び経過等を勘案すると,本件事故と相当因果関係にある弁護士費用は,892万円を下らない。

7 よって,原告は,被告に対し,9811万6723円及びこれに対する本件事故日である平成13年6月30日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払うことを求める。

証 拠 方 法

甲1 「『回答ご依頼』について(回答)」と題する書面
甲2      後遺障害等級に関する認定結果について
甲3  「損害賠償金(和解金)のご提案」と題する書面
甲4の1~3 資料
甲5の1    平成12年分の収支内訳書及び確定申告書(控)
甲5の2    平成12年分の所得税の修正申告書
甲6      2005年農林業センサス
「年齢別農業就業人口(自営農業に主として従事した世帯員数) 」

添 付 書 類

1 訴状副本                          1 通
2 甲1ないし6号証(写し)                 各 2 通
3 訴訟委任状                         1 通
4 管轄合意書 1 通


前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表弁護士
出身地:北海道岩見沢市。
出身大学:北海道大学法学部。
主な取扱い分野は、交通事故、離婚、相続問題、債務整理・過払いといった個人の法律相談に加え、「労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」も取り扱っています。
事務所全体で30社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。

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