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2013年3月 7日 男女の容貌の保護に許されない差別!?

 読売新聞5月28日朝刊に,《労災補償 顔の傷 男女差は違憲 京都地裁判決 「合理的理由ない」》という見出しの,次の記事が掲載されました。
 
 労災の認定基準についての裁判ですが,交通事故の自賠責保険の基準のほか,交通事故の裁判の基準にも少なからず影響を与えることになるでしょう。同じ件の記事の中で,読売新聞の記事が,簡にして要でとても分かりやすかったので,まだお手元にある方はぜひご覧下さい。
 
 ところで,同日の朝日新聞朝刊には,次のような識者の意見が紹介されています。
 ☆「顔に残った障害に男女差があるのは、裏を返せば女性は容姿が大事ということ。ミスコンテストと源流は同じだ」
 ☆「女性にとって最大の『就職先』が結婚とされた時代には、顔の障害が人生を左右すると考えられたのだろう」
 ☆「男性にも外見を気にする人はおり、社会的ダメージや精神的な被害は男女差ではなく、個人差と考えるべきだ」
 ☆「こうした格差づけは、男性への差別的扱いであると同時に、社会が女性を『外見』でとらえてきたことの表れでもあり、二重の意味で不平等を生んでいる。同様の法令や規定がないか洗い出し、国は見直しを図るべきだ」「女性の障害等級を引き下げるのではなく、男性を女性の水準に引き上げるべきだ」
 
 不平等だという結論には,かなりの賛成があるかもしれません。
 しかし,識者の意見を見ると,違和感を感じるものもあり,根本的な考え方については,意見が別れるところかも知れません。

 ともあれ,私は,男と女という別の人間の間の差が差別になるのかという視点より,そもそも,男性と女性が連続化し,境界がなくなっていることが世の中の潮流となっており,本判決も,そのような時代認識のもとに理解すべきものと考えています。
 「男と女の間には深くて暗い川がある」と歌っていたのは野坂昭如氏ですが,世の中の動きを考える場合,そのような時代認識は,もはや誤りだということです。

 裁判例というのは,裁判官の思いが表れたとしても,これを受け入れる国民側の在り方によって,今後どのように成長しているか,あるいは衰退していくかが変わっていきます。
 意見を持つのは大事なことですが,良い悪いの善悪の基準によらずに,受け入れる世の中の客観的な状況を考えてみることが必要であると思います。

 そうしないと,「元首相より,はっきりモノが言える新首相の方が素晴らしい。」などという意見がまかりとおってしまいます。要は,現に存在する環境の中で,あるべき未来をを切り開いていく力があるかを見なくてはならないはずです。



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